自賠責保険が誕生した理由

自賠責保険が誕生した理由

●自賠責保険と損害賠償問題

私たちの暮らしが現在のように便利に、豊かになったことの理由として、自動車やバイクなどの移動手段の充実があげられます。自動車やバイクがあれば遠くまで疲れることなく、しかも徒歩より格段に速いスピードで目的地につくことができます。また、現在私たちが口にしている食べ物も移動手段の恩恵を受けています。遠くで水揚げされた魚を、遠く離れたところまで素早く、悪くならないうちに持ってくることが可能となったからです。しかし残念ながら、それゆえに自動車事故の発生件数は年々増加の一途をたどっています。みんながみんな自動車やバイクなどに乗るので、それに応じて交通事故が起きる確率が高くなっていくからです。そして交通事故が増えるにしたがって、損害賠償に関する問題が社会問題化していき、昭和30年に自動車損害賠償保障法が施行されました。一般的には自賠責(じばいせき)または強制保険(きょうせいほけん)などと呼ばれ、新車登録時や車検の時に強制的に加入させられている保険制度のことです。

●自賠責保険がうまれた理由

交通事故の損害賠償のもとになる法律は民法です。民法709条は「故意または過失に因りて他人の権利を侵害したる者は之に因りて生じたる損害を賠償する責めに任ず」とあります。つまり故意(こい・わざとすることです)でも過失(かしつ・そうするつもりは無かったという場合です)でも、相手に何らかの損害を与えてしまった場合はそれを賠償しなければならないということです。一方、刑法では故意なのか過失なのかで量刑は大きく違っていきます。殺人と過失傷害致死では加害者に与えられる刑の内容がまったくと言っていいほど違ってくるのです。

※分かりやすくたとえると、「相手を傷つけてやろう」と考えて人を傷つけることが「故意」。傷害罪(しょうがいざい)となります。けれども、相手を傷つけてやろうとは何にも考えていなかったのに、結果として相手が傷ついてしまったといった場合は過失傷害(かしつしょうがい)です。

さらに、709条は「加害者に故意または過失があった」ことを、被害者の方が証明しなければならないとしています。加害者が積極的に、自分にこれこれの故意と過失があったなどと証明してくれることは、とてもまれでしょう。自分が悪いと認めて多額の賠償金を払おうと腹をくくれる加害者は少なく、必然的に加害者は自分は決して故意ではなく、過失もないと過小に評価してもらおうと行動することが多いです。それなのに、加害者の故意や過失を証明するのは簡単なことではありません。そうなると、実際には故意や過失があったのに、被害者は正当な補償を受けられなくなるということが起こってしまうようになったのです。そこで、被害者を救済するために生れたのが自動車損害賠償保証法です。この法律により、強制的に加入を義務付けられるようになったのが、現在の「自賠責保険」なのです。

※ただし人身事故のみの対応であり、対物事故はあくまでも民法によって損害賠償がなされます。



Copyright (C) 2006 自動車・バイク・原付の自賠責保険・任意保険 All Rights Reserved.

[PR]Aromatherapy [PR]翡翠